2022年、人事院が国家公務員の副業・兼業ガイドラインを改定し、地域貢献活動や社会的意義の高い副業が認められやすくなりました。さらに2026年時点では、内閣人事局のデータによると国家公務員の副業許可件数が前年比30%増加しています。しかし、副業を始める前に知っておくべき法的制限があります。
許可なく副業を行うと懲戒処分の対象になる可能性があるため、この記事では 人事院のガイドラインに基づいた正しい知識を解説します。
公務員の副業:法律と許可の基本ルール
公務員の副業は「原則禁止・例外許可」です。ルールを理解することが最初のステップです。
国家公務員と地方公務員の違い
国家公務員は国家公務員法第103・104条により、営利企業への従事や自営業の禁止が明記されています。一方、地方公務員は地方公務員法第38条が適用されますが、許可基準は各自治体によって異なります。したがって、まず自分が国家公務員か地方公務員かを確認し、所属機関の人事部門に問い合わせることが最初のステップです。近年、多くの自治体が副業許可の基準を緩和しており、特に地域課題の解決につながる副業については積極的に許可する自治体も増えています。
副業禁止の3つの原則と例外条件
公務員の副業が制限される主な理由は、①職務専念義務の確保、②信用失墜行為の防止、③守秘義務の遵守の3つです。これらの原則に違反しない範囲での副業であれば、許可を得て行うことができます。具体的には、勤務時間外に行う、職務上の情報を使用しない、公務の信用を損なわないという条件を満たす必要があります。また、副業による収入が一定額を超える場合は確定申告が必要になるため、税務面での準備も重要です。
許可されやすい副業の種類と条件
すべての副業が禁止されているわけではありません。許可を得やすい副業のカテゴリを知ることが重要です。
地域貢献・社会的意義のある副業
2022年以降、最も許可されやすくなった副業が「地域貢献型副業」です。具体的には、NPO・社会福祉法人でのボランティア的就労(有償可)、農業・林業など地方の一次産業支援、地域の中小企業へのコンサルティング支援、教育機関での講師活動などが該当します。また、これらの副業は収入を得ながら社会貢献ができるという点で、許可を得やすいだけでなく公務員としての専門性を活かしやすいという利点もあります。さらに、内閣府の地域活性化に関連した副業プログラムに参加することで、組織的なサポートを受けながら副業を始めることも可能です。
資産運用・不動産・執筆活動
資産運用(株式投資・投資信託・FX)は、職務に直接関係しない限り許可なく行えます。ただし、職務上知り得た情報を利用したインサイダー取引は厳禁です。不動産経営は「5棟10室基準」と呼ばれる基準(アパート10室以上または戸建て5棟以上)を超えると事業とみなされ、許可が必要になります。基準以下であれば自由に行えます。また、執筆活動(ブログ・書籍・記事執筆)は原則自由ですが、職務に関連する内容や守秘義務に抵触する内容は避ける必要があります。
副業許可の申請方法と注意点
副業を始めるには、所属機関への申請が原則です。申請なく始めると懲戒処分のリスクがあります。
副業許可の申請手続きは所属機関によって異なりますが、一般的には①副業の内容・目的・時間・報酬を記載した申請書の提出、②人事担当者との面談、③許可または不許可の通知というフローになります。許可が下りるまでの期間は通常2〜4週間です。申請書には「副業が本業に支障をきたさないこと」「守秘義務を遵守すること」を明記することがポイントです。不許可になった場合でも、内容を修正して再申請することが可能です。また、副業を始めた後も定期的に報告義務がある場合があるため、許可条件を確認しておきましょう。
公務員の副業:種類別の許可難易度と収入目安
| 副業の種類 | 許可の必要性 | 月収目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 地域貢献型副業(NPO等) | 必要(許可されやすい) | 月2〜5万円 | 社会的意義が高く審査通りやすい |
| 講師・セミナー活動 | 必要 | 月1〜10万円 | 専門知識を活かせる |
| 株式投資・投資信託 | 不要 | 変動あり | インサイダー取引は厳禁 |
| 不動産経営(基準以下) | 不要 | 月3〜20万円 | 5棟10室基準に注意 |
| 執筆・ブログ活動 | 原則不要 | 月1〜5万円 | 職務関連内容は避ける |
地域貢献型副業
許可: 必要(許可されやすい)
月収: 月2〜5万円
特徴: 社会的意義が高い
株式投資・投資信託
許可: 不要
月収: 変動あり
特徴: インサイダー取引は厳禁
不動産経営(基準以下)
許可: 不要
月収: 月3〜20万円
特徴: 5棟10室基準に注意
講師・セミナー活動
許可: 必要
月収: 月1〜10万円
特徴: 専門知識を活かせる


